2018/02/17
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1月14日、塩尻市広丘駅前、ふじ蔵にて。
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たぶん…どうなんだろうなぁ、「大味」と言う言葉。
死語じゃないかと思うんです。
いや、使われもするのでしょうけれど、
完全に、一人歩きしてしまっているんじゃないかなぁ、と。
本来はどうなんでしょう。
どの食材、味付けだけに使われる言葉なのでしょう。
テレビ番組を見ていても、
そりゃあ肯定的な言い方ではあるのだけれど、
「大きいのに、大味でない!」と言う使い方は、
何か文献を調べた訳ではありませんが、正しくないんじゃないか…
…昨今、そう考えております。
想像では、味付けを大雑把にしたり、
繊細さ、余韻などを求めない、ガツンとした、インパクト重視の、
複雑さのない、直球、弩ストレートな場合を、
「大味」と言うべきではないかなぁ、と。
逆に対義語的な言葉は「小味」ですか?これは言わないですよね。
それもまた、一人歩きした言葉に感じられる所以ではないでしょうか。
ふじ蔵の大将の親父さん、おかみさんに教わったことの中に、
「魚は、大きければ大きいほど美味しい」と言うものがあります。
大きければ大きいほど、海の栄養をたくさん取り込んでいる…と言うのです。
信州の年末の風物詩、お年取りの名物魚「鰤」に関して言えば、
10kgを超えるか、超えないかで大きな味の…美味しさに差がある、と…
10kgを超えた方が、よりウマイと言うのです。
その日は、冷凍処理を挟んでいない、
生のマグロと、10kg超えの鰤、〆鯖にてお刺身をお願いしていました。
見た目でも、知っている鰤とまた違うと言う事に気付かされます。
美しいサシの入り方。
元々、脂の多い魚ではありますが、
10kgになって来ると、ここまでソソル風体になるのか、と。
イナダ時代のプリッとした身が、脂の充実によって、
とろける食感に変わり、幸福感は多大なるもの。
お醤油とたっぷりの山葵がもちろん美味しいのですが、
これだけ旨さに溢れていると、
味噌や塩で食べても、秀でて食べられるんじゃないか…なんて風にも思えて来ます。
これは本当に旨かった。
鰤を1匹、丸ごと仕入れている訳ですから、
かぶと焼きも当日はお願いできる…とのことで。
ふじ蔵のメニュウの中でも、割合高額だなぁ…と思ったのですが、
ほぼほぼ原価近いのだそうです。
それくらい、旬の10kg超えの鰤は貴重で、高額で、ウマイのだそうで。
鰤ヘッドのみならず、
割合、かぶと焼きをお願いする機会が多いのですが、
10kgの大きさに驚くと共に、
焼いた状態のしたたる様な脂の旨さも、また格別でした。
生とは異なる、たまらない旨さ。
10kg以下の鰤と、圧倒的に身の旨さが違いますし、
家族で食べて、その減って行くスピードの早さも、
また美味しさを裏付けるものでした。
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