2018/04/17
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気楽なところで、一生懸命…と言うことです。
2月3日、松本市駅前界隈、信州ばんざい家にて。
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そんな訳でございまして、
わりと久し振りに…人気のお店ですから、
なかなか入ることが出来ていなくて、
当日も、2席ちょうど空いたところに滑り込んだカタチで。
事前に電話して…よりも、
その都度、当たるも八卦、当たらぬも八卦じゃありませんが、
当日に出掛けてみて、空きがあれば入る…
…なんて感じが良いのかなぁ、なんて思うんです。
久し振りに出掛けてみて、
やはり料理に工夫があり、良いお店だと思います。
あらかじめの電話で、席の予約が満席で出来なくて、
「じゃあ、他にしよう」と言う流れを繰り返して、
間が空いてしまったので、やっぱりそれだとつまらないので。
良くも悪くも出掛けて行って、アタックしてみよう!
…って思いました。それが何よりじゃないか…と。
今日のメニュウも、以前には無かったもの。
とても、仕事の入った“おでん”でありました。
さぁ、短い時間ではありますが、一席、お付き合い下さいませ。
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「ばんざい家のおでん」
…と言うメニュウを見て、
「あれ、風林火山のおでんとは違うのかなぁ」と思います。
姉妹店。
そして、「風林火山」の名物のひとつとなる「黒おでん」、
これと同じものではないと言います。
「ばんざい家」らしい味わいを模索して、その末のもの…となれば、
やはり期待は高まりますね。
「風林火山」が「黒おでん」と呼ばれるのであれば、
相対して、
「白おでん」「純白おでん」とでも呼びたくなる様な…
和ダシで、ごくあっさり炊いてある様子でした。
「黒おでん」が伝統の居酒屋文化に脈々と繋がるおでんであるならば、
「ばんざい家のおでん」は、ニューウェーブ系とも感じますし、
また、京都や金沢のおでんって、こうした雰囲気なのかな…とも思います。
何種類かあるタネの中から、4品を選びました。
・焼きトーフ
・“一本一本手巻き”出汁巻玉子
・“おでんの新定番”トマト
(以下、写真には写っておりませんが、下に沈んで)
・“お魚屋さんのすり身を使用”さつまあげ
炊き合わせたダシは、鰹節や昆布で引いたであろう、
とてもシンプルで素直なダシ。それそのもの…と言うカタチ。
塩味も感じるか感じないか程度の濃さ。
だからこそ、素材そのもの味が主役になりますね。
素材と味付けのペアリングではなくて、
ダシで炊いた素材の美味しさを味わう。
特に、焼きトーフは豆の味がより豊かに感じられるものでした。
優しい塩気に、豆富の美味しさが勝る。
トマトはダシの強さが浅いからこそ、
酸味も生きていて、サッパリさとトマトの旨味が、
とてもジュースフルに染み出して来ます。
外殻の肉厚果肉食感もしっかりあり。
出汁巻き玉子も、元々味があるのでしょうけれど、
ダシに浸して炊き込むことによって、
巻きと巻きの間、隅々に汁が入り込んでいて、
液体ですけれど、
不思議に接着剤として働いていて、
じゅわっと味の開きをフォローして食べさせてくれます。
さつまあげは、さつまあげにちゃんと味があった様に思います。
食感はしっかり強く、“食べで”があり、
中でもスタンダードなおでんメニュウに近い味だったでしょうか。
味の付いたおでんにも美味しさがあり、
こうしたシンプルな炊き出しのおでんにも、
なるほど、良さがあるものですね。
和カラシが添えられていましたが、
柚子胡椒や、七味ポン酢などでも美味しく頂けそうな気がします。
木曽のとっから味噌と田舎味噌を合わせたものも合いそうだし、
うん、そのままでも風味が良いけれど、更に夢が膨らむかも…なんて思ってみたり。
醤油や味噌の文化が色濃い信州において、
こうした上品な味付けは、異色と感じますが、
けれど、これこそがお店の味、お店の個性と感じられます。
また出掛けて行った際には、
別のタネなども含めて食べてみたいなぁ…なんて言うところ。
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