ご飯にします?それとも?……厨十兵衛で、銀鱈の塩焼き。
2018/07/01
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日本酒さえあれば良い。
気楽なところで、一生懸命…と言うことです。
5月26日、松本市緑町界隈、厨十兵衛にて。
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もちろん、ご飯と一緒にしたって、とっても美味しいのだろうけれど、
日本酒居酒屋、厨十兵衛のカウンターだったら、
日本酒と一緒に、脂のいっぱい乗ったところを、溢れるところを、
美味しく楽しみたいな、と思う訳でして。
マリアージュ、ペアリング、それを探すことも楽しみではあるし。
何も考えずに「うまーい!」も楽しいことであるし。
日常だったら、
イベントにして、何かコンセプトがある場でなければ、
日々の喧騒から離れて、
気ままに、楽しみたいことを楽しむことが出来る酒場が…
日本酒を味わう空間こそが、情緒があるって言うんじゃねぇかなー…と、思う。
最近はそんな風に考える様になって来ています。
時代も社会も技術も飲み手も、人の流れも人の立場も、
僕が日本酒を楽しみ始めた頃とは、色々と変化していて。
日本酒の試飲会も、
飲み比べて、蔵の特徴を知ろう、他の蔵との差を知ろう…ではないのかな、と。
蔵元さんに会おう、一緒に写真を撮ろう、飲めるだけ飲もう…と言う、
もちろん、そればかりではない事は百も承知ですけれど、
最近の身の回りから見る風景では、その様に感じてしまっています。
また蔵元を囲む会も、“この組み合わせを試してくれ!今回はここに集中!”…
これは実体験付きセミナーみたいなもので、
コンセプトがしっかりしていれば良いんだろうな…と思います。
コンセプトをちゃんと先に伝えておいて、
お値段も年々高額になって来ている気がするので、
その価値がある様に、しっかりしていると良いな…と思うんです。
落語を見ることとお酒って、どこか映画、スポーツを見る事と似ていて、
合う組み合わせと見られがちですが、
ハッキリ言って、最悪の組み合わせなんです。出来たら飲食も避けた方が良いです。
お茶など、乾燥避けの水分ならまだしも、
高座の最中にお弁当を広げて…と言う事は避けた方が良い。
落語は観客が頭の中に舞台を想像して楽しむ芸ですから、
怪談噺「四ツ谷怪談」でお岩さんのおどろおどろしいお顔を想像するはずが、
手元のあんころ餅が顔に引っ付いてしまっては、せっかくの風情が台無しになっちまう。
主題がお酒を楽しむ、組み合わせの妙味を体験する…また、落語を聞く、
それならば、それに集中してこそ甲斐が生まれて意義になるものです。
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今日は、厨十兵衛で上田市の酒蔵、
岡崎酒造「信州亀齢」、若林醸造「月吉野」を醸すご両人をお呼びして、
蔵元を囲む会に参加して…
この文章は事前に書いていますから、
更新の頃合は家に満足して帰って来ている頃でしょうか。
会のコンセプトは、とてもハッキリしていて、
両蔵のお酒と厨十兵衛のお料理、蔵元さんとの歓談を、
ざっくばらんに、気楽に楽しもうぜ…!と言う会です。難しいことは言わない。
聞きたい事があれば、直に聞くことが出来る。
とにかく、楽しもう…がコンセプト。
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「孤独のグルメ」がヒットした部分、理由は本当いろいろとあると思うのですが、
「これが良い、あれが良い」と、すでにレールが用意されたものではなくて、
主人公が、食との出会いをワクワクと楽しみながらお店と出会い、
料理と出会い…“孤独”に、それは自分がいちばん楽しむ事が出来るように。
レールがあるならば、しっかりと終着点まで。
レールがないならば、各自最大限楽しむ事が出来る自由空間で。
最早、イベントにも参加しない自分が言う事ではないかも知れませんが。
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こんな小難しいことを考えたりせず、目の前の銀鱈に集中する。
「YOKOさん、これ旨いねー!」
…とYOKOさんと笑顔をつき合わせて、
「井出さんウマーイ!」
…と見上げて、井出さんが…厨十兵衛が笑う。
「楽しい!!」で溢れる。
これが、これだけが全てなんじゃないのかなー…って、そう思います。
いつものお値段で、これだけ楽しくて美味しいのに、
更にいつも以外のお値段、おあしを支払って特別な場に、
時間をこしらえて参加して、
いつものお値段、時間以上に楽しむ事が出来なかったら、嘘でしょう?…って思う訳です。
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さて、本日はいつもと趣向を変えてお喋りして参りました。
自分自身がたいへんに面倒臭い性分でございまして…。
皆々様にご迷惑をお掛けして、
世の中の端っこで、ついでに生きている…なんてところでございます。
お気に障りましたら、石っころがわめいている程度に思し召し頂ければ…。
さ、ちょうどお時間がやって参りまして…。
明晩は、いつも通りに気楽なところでお付き合いを願う事となりますので、
どうか、それまで。
それでは…、
ありがとうございました。