厨十兵衛で、するめいかの三味和え。

SakeSoja

2018年10月20日 18:30





烏賊三昧。



気楽なところで、一生懸命…と言うことです。

8月25日、松本市緑町界隈、厨十兵衛にて。




それぞれは、たぶんどこかで…
このカウンターで食べているんだとは思うのだけれど、
こうして、ひと皿に三種盛り合わせて登場する…
…それは、どこか意味が違って来る心持ち。



するめいかの鱈子和え。



するめいかの酒盗和え。



するめいかの唐墨和え。

この3種。どれもとても個性的です。

酒盗は強烈な旨味があって、
“読んで字の如く”ですから…
では、イカがなくて良いかと言うと、そうはならない。
酒盗だけでは強力過ぎるのです。塩気も旨味も。
イカがクッションになってくれると、
食べやすく、ほの甘く、食感もイカが担当しますから、
口の中で旨味の広がり方が違います。

鱈子と唐墨は、同じ魚卵由来の食べ物ですけれど、
ここまで風味が違うのか…と改めて感じます。
合わせたいなーってお酒も違いがありますね。
やはり鱈子の方が塩気や癖が強く、
より海のものらしい風合に満たされています。
口の中に残る味も強いので、
キレのある、綺麗にさらう様な速度感ある日本酒が良いのではないか…と思いました。

比べて唐墨は、
形状としても、より乾燥して見える訳で、
まぶすことによって質感としては、
最もイカのぬめりを感じられなくなります。
けれど、唐墨が酒盗や鱈子ほど強烈な塩気が無く、
風味だけがある状態なので、
イカの風味も、よく顔を出すことになって、
たいへん上品な味わいになっていました。
厨十兵衛のメニュウの中には「鯛の唐墨まぶし」もあり、
本体の風味を損なうことなく、
唐墨の美味しさを付与できるので重宝しているのかしら…と言う印象。
強い味わいのお酒でも、淡い味わいのお酒であっても、
例えば、酸味でボディを作っているタイプであっても、
合うお酒は選ばない様に、
全て上手に合わせられる酒肴であるなぁ、と思います。

酒盗は問答無用の酒の友、
鱈子は綺麗なキレのあるお酒に合う、
唐墨は突出せず優等生的な合い方をする…と言ったところ。

良い酒肴…と言うことは伝わりますでしょうか。
素材を揃えれば、もちろん全く同じにはなりませんが、
気分だけでも真似できちゃうんじゃないか…そんなシンプルなメニュウ。

とても良い組み合わせで、飲みの駆け出しを楽しんだと言う…
本日は、こんなところで。お開きの時間と相成りました。
また明晩、お会い致しましょう。

それまで、それでは。

ありがとうございました。

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